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【No722】特別寄与料の支払請求があった場合の相続税の課税関係
2020.09.14
【No722】特別寄与料の支払請求があった場合の相続税の課税関係
2020年09月01日 資産税FPNews特別の寄与は、平成30 年民法改正で新設され、令和元年7 月1 日より施行された制度です。特別の寄与は、相続人ではない 被相続人の親族が、相続人へ、特別寄与料を請求することができる制度です。この改正により、特別の寄与が認められるようになった相続人でない被相続人の親族として代表的なものは、同居して介護などの療養看護等を行った相続人の配偶者です。
(1)特別の寄与が認められる要件
特別寄与料の請求が認められるためには、以下の3つの要件が必要です。
①特別の寄与であること
特別の寄与が認められるのは、法律で定められた直系血族及び兄弟姉妹の扶養義務を超えた特別な貢献を行った場合です。
②相続財産の維持・増加と相当因果関係があること
特別寄与者の貢献により、被相続人の財産が維持・増加している必要があります。
③無償で療養看護その他の労務の提供をしたこと
特別寄与者の貢献に対して、一定の対価や報酬が支払われている場合は、特別寄与者の貢献に対する清算が行われていると 考えられるため、特別の寄与とは認められません。
(2)寄与が認められる場合
①被相続人の事業に従事していた場合
被相続人の農業、商業、工業その他事業に従事していた場合です。 従業員として適正な報酬が支払われていた場合は認められませんが、貢献に対する報酬が明らかに過少な場合は認められる 可能性があります。
②被相続人の事業に資金、資産を提供した場合
被相続人の不動産の購入資金を援助したり、被相続人の借入金を代わりに弁済したりした場合などです。
③被相続人の看護や、身の回りの世話をした場合
特別寄与者自身が看病する場合だけでなく、自ら出費して付添などを手配し、被相続人が出費を免れた場合も含まれます。
④被相続人を扶養した場合
被相続人を長期にわたり扶養した場合や、相続人以上の給付をした場合は認められる可能性があります。しかしながら、 法律上、扶養義務のある関係性の場合は認められない場合もあります。
(3)手続
特別寄与料を請求する手続きは以下の2つがあります。
①協議
特別寄与者は、相続の開始後、相続人へ寄与に応じた額の金銭の支払を請求できます。
②家庭裁判所による処分
特別寄与料の支払について相続人と協議が整わないとき、特別寄与者は家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できます。 家庭裁判所は、相続人に対して、金銭の支払を命ずることができます。 ただし、請求できる期間は、特別寄与者が相続の開始を知ったときから6か月、または相続の開始から1年を経過するまで の間です。
(4)特別寄与料の金額が確定した場合
特別寄与者への特別寄与料の支払額が確定した場合は、特別寄与者が、その特別寄与料に相当する金額を、特別寄与者による 特別の寄与を受けた被相続人から遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となります。なお、特別寄与者は被相 続人の一親等の血族及び配偶者以外の者であることから、相続税額の2割加算の適用対象者となります。
また、特別寄与料を支払った相続人は、相続により取得した財産の額から、特別寄与料に相当する金額を控除した価額により 相続税を計算することになります。 特別寄与料の支払を受けた特別寄与者は、特別寄与料の額が確定したことを知った日の翌日から10 か月以内に、納税地の所 轄税務署長に相続税の申告書を提出する必要があります。
そして、特別寄与料を支払った相続人がすでに相続税の申告書を提出していて、特別寄与料の支払により、相続税の額が過大 となった場合は、特別寄与料の額が確定したことを知った日の翌日から4か月以内に限って、納税地の所轄税務署長に対し、更 正の請求をすることができます。
(担当:江口 明奈)
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