【No741】令和2年7月豪雨により被害を受けた土地等に係る特例措置について

   
 

 1月26日に国税庁ホームページにおいて「令和2年7月豪雨に係る調整率」が公表されました。災害発生日前後の一定期間において特定土地等を相続等(相続又は遺贈をいいます。以下同じ。)又は贈与により取得した場合には、特定土地等の財産評価及び申告期限についての特例措置が設けられており、今回は相続税の特例措置についてご説明します。

 

1.災害発生日前(令和2年7月2日以前)に取得した特定土地等

 

(1)特定土地等の評価の特例の概要

 

 令和元年9月3日から令和2年7月2日までの間に相続等により取得した土地等(土地又は土地の上に存する権利をいいます。)で、特定地域内(注)にある土地等(特定土地等)の価額は、その取得の時の時価によらず、「令和2年7月豪雨の発生直後の価額」によることができます。

(注)「特定地域」とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域

(同項の規定の適用がない場合には、その特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域)をいい、令和2年7月31日時点において、次の地域が該当します。

 

 

 なお、特定地域内に所在する土地等であっても調整率が付されていない地域も存在するため、詳細については国税庁のホームページにてご確認ください。

 

(2)「令和2年7月豪雨の発生直後の価額」の計算方法等

 

 「令和2年7月豪雨の発生直後の価額」は、この「調整率」を令和2年分の路線価等(路線価及び評価倍率をいいます。)に乗じて計算することができます。

 

 

(3)申告期限について

 

 相続人等のうちに上記特定土地等の評価の特例の適用を受けることができる者がいる場合には、その相続人等の全員の申告期限が 令和3年5月6日まで延長されます。

(注1)国税通則法第 11 条の規定(災害など納税者の責めに帰さないやむを得ない事由により、国税に関する法律に基づく申告等又は納付等の期限までに、これらの行為をすることができないと認められるときは、国税庁長官の指定により、その理由がやんだ日から2か月以内に限り、その期限が延長されます。)に基づき申告期限が延長された方は、令和3年5月6日とその延長された期限のいずれか遅い日が相続税の申告期限となります。

(注2)「更正の請求」の期間は、申告期限から5年間となります。

 

2.災害発生日以後(令和2年7月3日以後)に取得した土地等

 

(1)土地等の計算方法

 

 令和2年7月3日から同年12月31日までの間に相続等により取得した土地等のうち、特定地域内にある土地等の価額については、上記1に準じて計算することができます。

 

(2)申告期限について

 

 令和2年7月3日から同年12月31日までの間に相続等が開始した相続税については、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月を経過する日が申告期限となります。

(注1)国税通則法第 11 条の規定に基づき申告期限が延長された方は、その延長された期限が相続税の申告期限となります。

(注2)「更正の請求」の期間は、申告期限から5年間となります。

 

3.まとめ

 

 上記のとおり、特定地域ごとに調整率が定められており、相続税評価額に影響を与えることはもちろんですが、調整率が1.00で相続税評価額への影響はないものの、申告期限が延長されている場合があるため注意が必要となります。

 

(文責:税理士法人FP総合研究所)