【No763】生産緑地の評価方法について

 生産緑地制度については、2022年に当初の指定から30年を迎えることをお伝えしましたが、今回は生産緑地の相続税評価額の計算方法について、解説します。

1.生産緑地の評価方法

 生産緑地の価額は、その土地が生産緑地でないものとして評価した価額から、その価額に次に掲げる生産緑地の別にそれぞれ次に掲げる割合を乗じて計算した金額を控除した金額によって評価することになり、具体的には次の算式により評価します。

  【算式】
   その土地が生産緑地でないものとして評価した金額 × (1-次の(1)又は(2)に掲げる割合)

(1)課税時期において市町村長に対し買取りの申出をするこができない生産緑地

 課税時期から買取りの申出をすることができることとなる日までの期間に応じてそれぞれ次に掲げる割合

(2)課税時期において市町村長に対し買取りの申出が行われていた生産緑地、又は買取りの申出をすることができる生産緑地・・・100分の5

《注1:その土地が生産緑地でないものとして評価した価額について》

 上記の生産緑地の評価において、「その土地が生産緑地でないものとして評価した価額」とは、宅地比準方式又は倍率方式のいずれかの方法で評価した価額となります。

《注2:主たる従事者に相続が発生した場合の生産緑地の評価について》

 生産緑地の価額は、上記のとおり、その利用上の制限を考慮して、市町村長に対して買取り申出が可能となる日までの期間に応じて定められた所定の割合を減額して評価することになりますが、生産緑地の主たる従事者に相続が発生した場合には、その相続の発生により、市町村長に対して当該生産緑地の買取り申出ができることになりますので、上記(2)の減額割合により評価することになります。

2.2022年の対応と評価への影響

 生産緑地指定から30年を経過する生産緑地については、特定生産緑地の指定を受けるかどうかの選択をすることになりますが、特定生産緑地の指定を受けるかどうかにより、その生産緑地の評価額にも影響があります。

3.地積規模の大きな宅地の評価との関係

 生産緑地についても、地積要件、路線価図の地区区分や容積率等の要件を満たせば、規模格差補正率を乗じて評価額より上記の減額を行うことができます。

(文責:税理士法人FP総合研究所)